産地紹介 紀州へら竿
産地風景
へらぶなは古くから日本各地に分布している魚。へらぶなとの力強い引き合いを楽しむために専用の釣り竿「紀州へら竿」が考案されました。工程ほぼすべてが手作業で、1人の職人が約1年がかりで仕上げます。匠の技と良質の竹で作られた紀州へら竿は、自然の中で魚との駆け引きを楽しむ究極の遊び道具です。
作業の様子
01
生地組み
「穂先」は真竹、「穂持ち」は高野竹、「三番」や「元」は矢竹を使うのが定石。竹の長さや太さ、粘りやしなりなどを見極めます。
02
火入れ
原竹を炭火であぶって、竹のクセを直す作業。「ため木」と呼ばれる専用の道具を使って矯正し、竹のもつ反発力を高めます。
03
穂先削り
穂先は刃とヤスリを使って、最適なバランスが出るまで削り込みます。握りには籐や乾漆、螺鈿などの伝統的手法を取り入れ、意匠を凝らします。
04
胴漆塗り・仕上げ
玉口は絹糸で補強し、漆塗りと研ぎ出しを繰り返します。芽には仕上げ目という漆を塗り入れます。最後に竿全体に胴漆を重ね、仕上げの火入れをして完成します。