産地紹介 棕櫚箒
産地風景
かつて野上谷と呼ばれた地域の山間に、南国風情を感じさせるヤシ科の植物「棕櫚」の木が自生・栽培されていました。この木の幹を包む暗褐色の繊維は、丈夫で腐りにくく、弾力性と耐久性に富んだその特性から、縄や網をはじめ、束子やブラシなど多くの日用品が作られてきました。その一つが「棕櫚箒」。天然繊維でできた箒の柔らかい掃き心地が特徴です。
作業の様子
01
原料
1945年以前は山間部一帯に棕櫚山があり、山師が管理していました。現在、地元産の棕櫚は希少で、原料の多くは中国から輸入。
02
玉(棕櫚の束)作り
棕櫚の皮全体を使う皮箒。まずは樹皮を丸め、玉と呼ばれる棕櫚の束を作ります。玉の位置や箒の種類で硬さを変え、銅線や糸で固定します。
03
柄を取り付け、玉を刺す
親玉に柄を取り付け、竹串を突き刺し、続いて玉を刺します。5,7,9,11と種類や用途に応じて玉数が変更。11玉が高級品です。
04
毛先を整え裁断
熊手を使って、毛先を整え裁断します。