産地紹介 皆地笠
産地風景
うっそうとした森が幾重にも重なった熊野の山々。その山間にひっそりと佇む集落が本宮町皆地。この地で古くから作られている伝統工芸品が「皆地笠」。素材である熊野の桧は、香り高く、ねばりがあり折れにくく、それでいて軽量で光沢があり、年月が経てば飴色のいい艶を出します。桧の油分が水を弾くため、雨具はもちろん日よけにも最適。熊野詣での参詣者も愛用したと言われています。
作業の様子
01
ひよ
8月~9月に切り出した桧材をひよに加工。専用のカンナで削り、編む場所によって異なるひよの厚みは、熟練の技と勘で見極めます。
02
編み紐
笠のふちを補強する編み紐を用意。5本編みと7本編みがあります。
03
編込み
ひよを互い違いにくぐらせ、網代編みで本体を形づくります。補強の竹と桜の皮を差し込む場所を計算しながら形よくついでいきます。
04
補強・仕上げ
編み上がったら本体の笠を竹3本で補強。ふちは太めの編み紐で包み込んで強化します。裏に頭を入れる笠台を麻糸でとめて完成です。