産地紹介 那智黒硯
産地風景
和歌山県でも有数の観光地として知られる那智勝浦町。世界遺産でもある熊野古道、熊野那智大社、那智山青岸渡寺を始め、落差133mと日本一を誇る那智の滝。かつてこの地を訪れた旅人は、熊野詣の証として黒色で光沢ある那智黒石を持ち帰ったと言われています。それが時代を経て、人の技が加わり「那智黒硯」として生まれ変わりました。国内外の書道家を中心に高い評価を受けています。
作業の様子
01
硯づくりは石の選別から始まります。中でも稀にしか採れない玉石は希少。化石や砂粒の核で周囲の母岩より固く球状になっています。
02
まずは原石を大まかに形成。木の柄の付いたノミを何種類も使い分けて、原石の形を活かしつつ、硯の海や丘の部分を荒削りします。
03
原石を活かしたバランスと美しさ。荒目と細目の砥石で、ひたすら磨き上げます。この作業で2日間。工程のほとんどをここに注ぎます。
04
玉石を使った手彫りの作品は、蝋燭の原料にもなるイボタを塗布して被膜を作り艶出し、仕上げます。