産地紹介 紀州漆器
産地風景
紀州漆器の起源は室町時代(1336–1573)。豊富な紀州材を使って木椀を製造し、椀木地に漆を塗る技法が加わり、漆工技術が発達してきました。その後、画期的な分業制(木地、塗り、加飾等)を導入し、着実に発展を続け、常に人の暮らしに寄り添い、生活と共に発展してきました。海南市黒江地区は、会津塗の福島県、山中塗の石川県と並び称される日本三大産地の一つです。
作業の様子
お盆などの全体に漆を塗り付ける工程を「塗り」といいます。加飾と呼ばれる工程には「蒔絵」などがあります。「蒔絵」とは漆で模様を描いて、漆が乾かないうちに金や銀などの金属粉を蒔きつけ、文様を表したものです。
01
置目とり
紙に描いた下絵の模様を漆器の面に転写します。
02
絵付け
次に下絵を漆でなぞり、金粉などを蒔く時の接着剤にします。
03
粉蒔
金粉などを蒔いて、絵や模様を浮かび上がらせます。湿度を高めにした専用の室に入れて十分に乾燥します。