産地紹介 保田紙
産地風景
山と川に囲まれる自然豊かな山里、有田川町清水では、あちこちに紙の原料となる「楮」の木が育っていました。これに目をつけた紀州徳川家の初代藩主の命により、今から400年ほど昔、紙の製造が始まりました。保田紙の特徴は、白くて破れにくく丈夫であること。1950年頃には最大400もの漉き屋が軒を連ねていたと言われています。
作業の様子
楮の木は、クワ科の植物で、皮の繊維が太く強靭なことから、紙の材料として古くから用いられてきました。
01
楮炊きから寒さらし
楮は2時間程炊き込まれ、皮をむき渋皮を落とします。さらにその下の甘皮を削り取り、乾燥させます。
02
釜炊きから叩解
乾燥させた楮の白皮を釜で煮て柔らかくし、しっかりと水分を切った後で細かいゴミなどを手作業で取り除き、機械で繊維を砕きます。
03
紙漉きから圧搾
紙素と糊の役目になるトロロアオイを、水を張った漉き舟に入れ、簀で漉き上げ、束にして水分を圧搾します。
04
紙板貼りから紙選り
一枚一枚板に貼り付け、天日で乾燥します。